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White Sister / WHITE SISTER
火薬バカ一代 ★★★ (2021-01-13 23:42:11)
クリスチャン・メタルっぽいバンド名ですが別にそんなことはないらしいバーバンク出身の4人組。多くのLAメタル勢が、まずクラブ・シーンで鎬を削った後、自主制作音源を作成してレコード会社の反応を伺う…ってなルートを辿ったのに対し、彼らはいきなりメジャーのEMIから'84年に本1stアルバムを発表して華々しいデビューを飾っています。
抒情的なメロディを配し、適度な緊迫感を湛えたサウンドは「明るく楽しいLAメタル」のイメージとは趣きを異するものの、さりとてNWOBHMからの影響を感じさせる地下室臭の類も皆無。キレのあるハイトーンVo、歯切れ良くリフを刻むG、早過ぎず遅過ぎず自然と聴き手をノらせるリズム、そして美麗なボーカル・ハーモニーとを伴う楽曲からは、既に堂々たるメジャー感が漂ってきます。取り分け、時にポップに/時にドラマティックにサウンドを彩り、リードVoまで取ってしまうKey奏者の活躍は本作の肝。これにはプロデューサーがGIUFFRIAのグレッグ・ジェフリアってことも関係しているんでしょうかね?
大きなヒットには恵まれず、これ1枚きりでメジャーからドロップしてしまったバンドゆえ「これぞ!」という強力なキメ曲は見当たりませんが、華麗なシンセサイザーを前面に押し出し、例えるなら初期BON JOVIが気持ち正統派HMに寄ったような収録曲の数々はいずれも粒揃い(⑤のみ毛色が異なりますがこれは外部ライター提供曲)ゆえ、大した瑕ではありません。特に冒頭4曲のカッコ良さは最高ですよ。
一度CD化されたきりで既に廃盤の国内盤には5,000円オーバーのプレミアが付いてしまっているので、1日も早いリイシューが望まれる、LAメタルの隠れた名盤。
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