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Cités interdites / KILLERS(FRENCH)
火薬バカ一代 ★★★ (2021-02-03 23:14:02)
80年代初頭の結成以来、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在も活動中という、ブルーノ・ドルギー(G)率いるフランスのKILLERSが’92年に発表した、嘗て新星堂から発売されていた帯付輸入盤には『閉ざされた都市』なる邦題が冠されていた5thアルバム。
声がウド・ダークシュナイダー激似だった前任シンガーがいつの間にか脱退しており、後任として加入したVoはも少し柔軟に歌えるタイプ。それに合わせてか音楽性の方にも若干の変化が見受けられ、「フランスのACCEPT」と評された初期の馬力にあかせて走りまくるスピード・メタル・スタイルは後退。代わって機動力に富む2本のGが切れ味鋭く動き回り、シンガーが時折フランス産ならではの優美なメロディを歌い上げる(語感の柔らかさもそれに貢献)、よりスマートでメジャー感溢れる正統派サウンドへとシフトしています。
とはいえメタル以外の何者でもないサウンドに違いはありませんし、シーンがダーク&ヘヴィ一色に塗り潰されようとしていた'92年という時代を鑑みれば、この愚直に貫かれたオールドスクールっぷりは頼もしいことこの上なし。特にイントロで焦らした後、痒い所に手の届く2本のGに先導されて疾走する②のカッコ良さは相当なもの。憂いに満ちたメロディを重厚に聴かせる③、山あり谷ありの曲展開からジャーマン・メタルっぽさも漂う④⑦、タイト&キャッチーな曲調とクラシカルなGソロが印象に残る⑧等もなかなかですよ。
バカバカしいまでの迫力を誇った1stの頃の作風を恋しく思わないわけではありませんが、音質が向上し、好き者以外にもアピールし得るより普遍的な魅力を獲得した本作の方が、入門盤としては薦めやすいのかなぁと。

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