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Love You to Pieces / LIZZY BORDEN
火薬バカ一代 ★★★ (2021-02-11 01:09:45)
その昔アメリカ社会を震撼させたという猟奇殺人事件の女性被疑者(裁判では無罪確定)よりバンド名を頂戴。JUDAS PRIEST、IRON MAIDENからの影響を伺わせるドラマティックな正統派HMサウンドと、KISS、ALICE COOPERの流れを汲むシアトリカルな要素を持ち込んだライブ・パフォーマンスとを組み合わせた「ショック・ロック」を標榜して人気を博したLAの5人組LIZZY BORDENが、'85年にMETAL BLADE RECORDSから発表した記念すべき1stフル・アルバム。
「アメリカのバンドらしからぬ正統派HMサウンドが魅力」と評されることが多く、冒頭にもそのように書きましたが、実のところ2nd以降はエンタメ色(陽性なノリ)が増強されるため、バンドとしての個性はしかと確立された反面、正統派HMそのものな音を期待すると「思ってたんと違う」と肩透かしを食らいかねないので注意が必要かと。
翻って本1stアルバムはというと、リーダーたるリジー・ボーデンのアクの強いハイトーンVoと、適度にテクニカルなツインGを活かして、LIZZY BORDEN版“KILL THE KING”といった趣きで突っ走るOPナンバー①から、劇的な哀愁のバラード⑤を経て、IRON MAIDEN調の回転の速いGリフが刻まれるスピード・チューン⑩に至るまで、大仰なハッタリの効いた、紛うかたなき欧州風味のHMスタイルを全編に亘って徹底。特に⑩は曲名こそ高級チョコレートみたいですが、LIZZY BORDEN屈指の名曲ですよ。
彼らの入門盤として強く推せる名作。日本盤はデビューEP『GIVE ‘EM THE AXE』(こちらも力作)と2㏌1仕様なのでお得ですよ。そしてこれがイケたら次作以降も是非。

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