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Requiem (Live at Roadburn 2019) / TRIPTYKON
kamiko! ★★ (2021-02-11 23:22:38)
スイス産ダークアンビエント2020年作
ロードバーンフェスティバルのライブを収録した作品で、Celtic Frost時代のRequiem2曲と新曲1曲を、リアルオーケストラを携えて演奏している。
少なくともTom Warriorの癖のある歌唱とズブズブ感を伴うエクストリームメタル要素は殆ど無く、ヘヴンリーヴォイスの女声ヴォーカルによる
ゴシック路線、ダークアンビエント路線という新境地に挑戦した作品だ。メタルサウンドを期待していると肩透かしを食らうだろう。
邪悪で醜悪な個性は秀でているかなと感じないでもないが、メタル色がここまで薄まり、クラシカル要素が前面にでてしまうと、比較対象は
宗教音楽・教会音楽ルーツのダークウェイブ路線になってしまうが、そちらを専門とするアーティストの足元にも及ばないと言わざるを得ない。
やりたい音楽がそうだったんだから仕方ないだろうが、本来持っている唯一無二のヴォイスパフォーマンスとエクストリームサウンドに代わる魅力があるかというと
残念ながら新たな魅力よりも、喪失感の方が大きい。新曲はなかなかの大作で、聴き応えがない訳ではないが、耽美が前面に出て魔性は感じられない。
ボクが魅力を感じるところは、CELTIC FROSTのINTO THE PANDEMONIUM (1987年)のRex Irae (Requiem)を再現しているところだ。当時この盤は賛否両論の問題作
だったと思うが、従来のエクストリームメタル度が低下しゴシックダークウェイヴテイストをデジロック風に織り込んだ作品は、ボクは結構ツボにハマった。
そのサウンドをリアルオーケストラで再現した作品(1曲目)に、懐古の情とクオリティの高さを感じる。それ故に、後続の新曲はイマイチ嵌りきれない。
ラストはMONOTHEIST (2006年)のTriptych: III. Winter (Requiem, Chapter Three: Finale)をリアルオケで再現しているが、そもそもこの曲を再現することに
あまり意義を感じない。この盤はファンディスクとしてゲットしなくてはいけない盤だったが、たぶんあまり聴かなくなるだろうな、と思っている。
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