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Rotten Perish / MESSIAH
kamiko! ★★★ (2021-02-24 01:36:42)
スイス産スラッシュメタル1992年作
前作「CHOIR OF HORRORS (1991年)」から飛躍的にクオリティアップした、MESSIAHの音楽性の完成形を思わせた作品。
ジャケがより世界観に忠実なデザインになり、額に入れて飾りたくなるほど味わい深いアートワークに変化。
なんといってもこの盤の魅力は、硬派な最適な歪みを持つギターの音像にある。派手過ぎず、過去作のような特殊なギターサウンドではなく
HM路線のオーソドックスな音像となり、そのギターが奏でる構築的な個性的なリフがより引き立つ。本来このジャンルに求められる魅力が
大幅にアップした印象だ。前作までのB級感が払拭されて、このジャンルのサウンドではトップクラスの味わいがある。
しかし、過去作までにあった、狂気をも思わせる突発的にエンジンがかかるような破天荒な勢い、特有のグルーヴ感がほんの少し影を潜めた感はある。
初期のアンダーグラウンド臭や滅茶苦茶に掻き毟る毒気は、クオリティの上がった録音状態により失われた。ただ、それを代償としたとしても
MESSIAHの魅力や持ち味は決して失われておらず、破天荒さの喪失・粗雑だからこその魅力が喪失したものの、音響と楽曲クオリティが
それを補って余りあると感じさせる。
前作同様に描く世界観が「救世主」ぽいところが良い。また、このバンドは面白い独創的なテーマの曲を多く残すが、この盤もしかり。
Living With a Confidence(自信を持って生きる),Alzheimer's Disease(アルツハイマー病)あたりの楽曲が、このバンドらしい味わい深さがある。

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