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Street Lethal / RACER X
火薬バカ一代 ★★★ (2021-02-25 00:18:38)
若干19歳にして「世界最速」とも謳われたハイテクニックを駆使し、ギター戦国時代に切り込んだ早熟の天才ギタリスト、ポール・ギルバート率いるRACER Xが'86年にSHRAPNEL RECORDSから発表した1stアルバム。
手元にあるCDを確認すると、タイトル表記が「PAUL GILBERT with RACER X」となっており、この時点ではバンドというよりは、マイク・ヴァーニーの秘蔵っ子たるポールをデビューさせるために急遽あつらえたプロジェクトであったことが伺えますが、折角そこまでお膳立てを整えた割にレコーディングは短期間&低予算というブラックな環境で行われており、風呂場で録音したみたいな音質は貧弱もいいところ。LOUDNESSやイングヴェイといった、当時ポールが影響を受けたアーティストからの影響がダイレクトに反映された楽曲の方も相当に粗削りな出来栄えとなっています。
ただ、中音域で音がゴチャっと団子になったお馴染みのプロダクションは、一周回って逆に「俺いまSHRAPNEL作品を聴いてんな~」という気分にさせてくれますし、収録曲のバラエティが広がった次作よりも、徹底してヘヴィ/パワー・メタリックなスタイルに拘った本作の方が個人的には好みなんですよね。ヘタクソ扱いされることの多いジェフ・マーティンの力みかえったVoにしても、このササクレたサウンドには案外マッチしているのではないかと。特にスピーディ&アグレッシブに牙を剥く曲調に勇壮なメロディが乗っかった⑦なんてかなりの名曲。
最高傑作ではないかもしれませんが、自分にとってのRACER X最推しアルバムは間違いなくコレですよ。

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