この曲を聴け! 

Planisphærium / WORMED
悪い悪魔 ★★★ (2021-02-27 23:10:07)
なんでもかんでもケチをつけたがるボクなんですが、コレはすんなり受け入れられました。
先に2ndと3rdの方を聴いており、それらがあまりに好きになれなかったボクはこの1stをずっと避けていたのですが、気まぐれでなんとなく購入してみたら想像以上の出来栄えで驚きました。
2nd、3rdはアヴァンギャルド要素が強い音楽なのですが、この1stに関してはそれらと違って割とオーソドックスなブルデスだと思います。
この1stのリリースから2ndのリリースまで10年ほど時間が空いているので音楽スタイルが変わっちゃうのも仕方ないですね。
しかし、アヴァンギャルド要素がどうこうというより、2ndと3rdは少し中身が薄い印象があります。そういったボクの印象は、意味のないインストだったり無駄な語りシーンなどの挿入が起因していると思います。この1stはそういった要素がほとんどないので、邪魔がなく音楽に集中することが出来て良いです。
音楽性だけではなく音質に関しても1stと2nd以降とではかなり相違があります。この1stはそれこそ王道行くようなTheブルデスなサウンドですが、2nd以降何やらスッキリしたモダンなサウンドになってますし、そこのところも好みが分かれるところかと思います。
ま、しかしこの1stの路線を続けていたら埋もれた存在になっていたかも知れないですね、悪くいえばフツーのブルデスなので。
しかしボクにとって音楽は「フツーに聴ける」という事がとても重要なので、無理して音楽の道からハズれた事をしなくても...と思うことがしばしばあります、このバンドに限らず。
特にアヴァンギャルド指向のデスメタルに対して思うことが多いかも知れません。でもそんなのは個人の好みの問題なので、完全否定はできませんが。
しかし、方向性の問題は置いておくとして純粋にリフなどのメロディ、そして曲の展開、構成だけに着目して聴いた場合にもやはり2nd以降よりこの1stの方が勝るのではないかと思います。そしてこの1stの良い部分(音楽における普遍的要素)を残した上で、アヴァンギャルド要素を取り込み、昇華できていれば2nd以降の作品に対するボクの感想も変わっていたかも知れないです。
2nd以降は余計なものをぶち込んだ挙句に前まで持っていた良いところを切り捨てた印象がありますからね。
おそらく混沌としたものを表現したかったのでしょうが、ボクは人が作曲する以上はもう少しコントロールされていて、何かしらの意図が感じとれるものが聴きたいですね。ただ混沌としているだけでは何も面白くないし、だからなんなん?と反抗期の子供みたいにボクは突っかかってしまうわけです笑
そんな感じでこのバンドの三作の中では1stが一番ボクに合いました(後々アヴァンギャルドな音楽に対する耐性をつけていきたいところ。とはいってもデスメタルのアヴァンギャルドってどうにも低レベルな気がしなくもない...。アヴァンギャルドと名乗っているだけで芸術性は非常に乏しい印象がボクには強くあります。ま、ボクは感受性の弱い人間なのでね、どんな凄いものを聴かせても無駄なところはありますがね笑)。
→同意