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Train of Thought / DREAM THEATER
失恋船長 (2021-03-08 16:17:52)
フェバリットではないバンド故、なぜこのバンドがヘヴィネス路線を追求したのか情報通に聴いてみた。当時、彼等はメタリカのアルバムを丸ごとカヴァーするライブなどをおこなっていて、そこで体感したヘヴィなスタイルの統一感、みたいなものに触発され、徹底的にヘヴィでダークなスタイルに軸足を置いて制作したと教わる。

なるほどなと納得したのですが、腕のあるグループだけに、何をやっても様になるのだが、今作に一番足りないものは、なんてことはない、バンドが長年培ってきた美意識である。
複雑な演奏の中に盛り込まれるポップセンス、なによりも素晴らしいのはメロディの練り上げ具合、その激しくぶつかいあう技巧の果てに流麗なメロディが嫌味なく流れてくる展開に、多くのフォロワーを生み出すインテリジェンスが垣間見えた。
今作はあえて、その手法を取らず徹底的に強度のあるモダンヘヴィネスサウンドを踏襲。メタリカのカヴァーの経験が生かされるようなスタイルになった。
あえてやらなくともよい音楽性なんだろうが2003年と言われるとしっくりくる。
ペトルーシが奏でる泣きのソロや豊かな表現曲、そういうものが薄めに仕上がったのは残念です。とくに後半3曲は、とってつけたような印象を受ける。
長い歴史の中で、あえて必要な方向性だったんだろうが、彼等のカタログの中では異質は印象が強い。

→同意