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Into the Future / ALIEN
火薬バカ一代 ★★ (2021-03-23 01:05:56)
'14年発表の傑作『ETERNITY』で高らかに復活を宣言するも、その後は再び長い沈黙期間に突入してしまったALIEN。なかなか活動が軌道に乗らずヤキモキさせられる彼らが久々に発表した最新アルバムがこちら。
「新たなリスナーにアピールできるような変化を求めていた」とのトニー・ボルグ(G)の発言が物語る通り、OPナンバー①ではダウン・チューニングの施されたヘヴィ・リフが無愛想に刻まれ、続く②はヴァイキング・メタルばりのエピック・チューン。カッコイイことは間違いないけど、ジム・ジッドヘッド(Vo)の繊細な声質にマッチしているかと言えば、無理くり荒れ声を絞り出しているようで、正直…うーむ。
そんなわけで、背筋を冷たい汗がタラリと流れ落ちていく幕開けでしたが、本編は聴き進めるうち徐々に冷ややかな哀感が立ち上り始め、メロディもどんどん煌めきを増していきます。むしろ合間にヘヴィ・ナンバーが置かれたことで、しっとり憂いを孕んだメロハー・チューン④、アルバムのハイライトに推したい、トニーのRAIBOW愛が仄かに感じられる劇的な表題曲⑥、哀愁に満ちたサビメロの素晴らしさをジムの歌声が引き立てる⑩、冷ややかなピアノの調べと泣きを背負ったGの共演にグッとくるバラード⑪等々、変わらぬALIEN節が堪能できる楽曲の絶品ぶりが際立って聴こえるというもの。脳裏を過る「全部こっち系の楽曲で統一してくれりゃ尚良かったのでは?」との至極もっともな疑問はひとまず脇に置いておくとして。
ともあれ、新味を盛り込みつつ、らしさも見失わず。ブランクをものともしないALIENの曲作りの腕前が健在であることを示す力作なのは間違いありません。

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