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Scratch and Bite / TREAT
火薬バカ一代 ★★ (2021-03-31 23:31:32)
デビュー・シングルをヒットさせた勢いを駆り'85年に発表された記念すべき1stアルバム。
こちとら便利なのでつい「北欧のBON JOVI」とか「ポストEUROPE」とか評しがちなTREATですが、BON JOVIやEUROPEが世界的成功を収めるのは'86年以降のこと。なのでこの時期の彼らに関してはクローン/フォロワー・バンドというより、たまたま同時期に同じようなスタイルの音楽性を志していた、というのが適当なのかなぁと。
そんなわけで、アルバムの幕開けを飾るのは能天気なパーティ・ロック・チューン①。音質は薄っぺらいですし、現在は実力派シンガー然とした歌唱を聴かせてくれるロバート・アーンルンドのVoもまだまだ野暮ったかったりと、初めて聴いた当時は正直「買って損こいた…」と頭を抱えそうになってしまったことを告白しておきます。
但し、そうした評価は後に4th『ORGANIZED CRIME』にてリメイクされることとなる③の登場で一変。哀愁のメロディが奏でられるイントロからして既に名曲の風格漂うこのTREATの代表曲以降は、アップテンポでロックする④、甘く切ないパワー・バラード⑥、ハモンド・オルガンの音色が北欧メタルならではの魅力を付与するラスト・ナンバー⑨といった具合に、フックの効いた秀逸な楽曲が続出。聴き終えてみれば「アッパレな作品であった」との評価に落ち着くという。
思惑通りの大ヒット作となり、TREATの名を一躍知らしめる切っ掛けとなったのも納得の1枚。とはいえやはり今の彼らと比較すると垢抜けなさは隠しようもないので、後追いでチェックする際はある程度覚悟を決めておく必要はあり。
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