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Strength of Steel / ANVIL
失恋船長 ★★★ (2021-05-01 12:35:26)
2枚目のアルバムが世界中のメタルマニアの目に留まり、期待をされていたカナディアンメタルの先駆者たるアンヴィル。満を持してリリースされた今作は、おもてたんと違うという事でリリース時の評価は必ずしも良くなかった。
特に、①②の流れが不評を焚きつけ、PVも作られた⑦なんかも流行りもんに飛びついたと叩かれる始末。前作から空いた長めのインターバル、シーンの移り変わり、アメリカでの成功と言うのがキーワードだったのでしょうが、ヘヴィなグループを前面に押し出し、当時流行りのグラム系も意識したL.A仕立てのアンヴィルサウンドは期待値を超えられなかったというのが当時の論調でした。
しかし、今の感性で聴けば多様性を帯びた意欲溢れるアンヴィルサウンドが収録されており、ミドルナンバーもそこそこに、小気味の良いサウンドも上手く盛り込み、アルバムの流れに起伏も設けています。
通して聴いてもダレることのない統一感、どこかファニーな面も補完しているアンヴィルサウンドの豪胆さは、マイルドなミックスの中でも上手く滲みだしていおり、上手くやり切っています。
結局、この路線は今作で終わってしまいましたが、1987年と言う時代と折り合いをつけた今作もアンヴィルの歴史として語られるには十分なクオリティを保持しています。厳つさよりも大衆性、譲れない精神性なのか不器用さが勝っただけなのかは分かりませんが、新生アンヴィルは十分メタルしていますよ。

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