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INSANE / REACTION
火薬バカ一代 ★★★ (2021-06-17 00:24:36)
REACTIONが'84年に発表した1stアルバム。メジャー流通ではなかったにも関わらず1万枚以上のセールスを記録し、国内インディーズ・シーンの隆盛に大きな影響を与え、バンドに「インディーズの帝王」なる称号をもたらすに至ったエポックメイキングな1枚。彼らが後続に対して道を切り開かなければXの躍進だってなかったんじゃなかろうか?と。
問答無用で飛ばしまくるスピード・ナンバー①⑦⑨が体現する通り、本作で炸裂するのは故・梅沢康博の食い気味なドラミングを推進剤とする、前のめりな突撃感覚が全編に漲るパワーメタル・サウンド。同時期の国産パワーメタルというと、こちとら真っ先に1st~2ndの頃のANTHEMの名前が思い浮かぶのですが、彼らほどにはACCEPTを始めとする欧州メタルからの影響(湿り気とか暗さとか)が感じられず、むしろREACTIONに関してはLAメタル勢に通じる陰に籠らない歯切れの良さの方が印象的。後々、作を重ねる毎にロックンロール・テイストが増量されていくこととなる彼らのルーツを既に伺わせてくれます。
本作に対する評価の分水嶺として指摘される加藤純也のVoについては、CD版トップに置かれた“INSANE”はバンドを代表する名曲であると同時に、この時点での加藤の歌唱の不安定さを最も意識させられる楽曲でもあるので、いきなりこれをぶつけてしまうとアルバムに対する不安感が無用に上がりかねない…かも。なので『INSANE』初体験のリスナーには、個人的にはLP版に準拠した曲順(OPナンバーは“JOY RIDE”)にて聴き始めることをお薦めする次第。
何はともあれ廃盤のままほったらかしにせず、一日も早い再発が望まれる名盤です。その際は折角の迫力を著しくスポイルしている音質改善も忘れずに是非。

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