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Against All Odds / QUARTZ
失恋船長 ★★★ (2021-07-12 21:39:45)
ワタクシにとっては、このバンドの初体験は今作でした。この音を聴いた後に1st、2ndを聴いた時は方向性の違いに戸惑いましたが、実は今作もサバスティカルな要素が完全に抜けたわけではなく②などを聴けばイアン・ギラン時代を思い出させたりと、サバスの弟分的なニュアンスが消えたわけではないのだが、方向性の変遷を受け止められないと厳しいだろう。①のインパクトが大きいので覚悟は必要だが、個人的にはベタなメロディアススタイルを非難する耳を持っておらず、正統性の強いシリアスなバンドサウンドを従え幅広い音楽性を追求した作風として大いに支持できるアルバムに仕上がったと思っている。
個人的にはSFなジャケットが損していると思っていますね、絶対に伝統的な英国サウンドを継承するバンドとは思えないもの。大味に聴かせない小技の効いて展開、メロディを蔑ろにしないアレンジ、ヴォーカルも変わり意識改革を断行、プロデューサーには、バイロンバンドにもいて、消滅寸前のTHIN LIZZYのギタリストでもあったロビン・ジョージが担当。そういう人選も方向性の転換に起因しているでしょうね。
聴き進め事に違和感はなくなるし、バンドの本質は英国スタイルにある。先入観を捨てて再考する価値のあるアルバムだと思いますよ。なんだかんだでサバスの弟分である場面は少なくないのです。むしろ前作よりもサバスティカルなイメージが強まっているとさえ思っている。こうなると①が損しているなぁ。
まぁ、このバンド初体験が今作だと言うアドバンテージがあるから評価も上がっているのかもしれまが、オジサンになった今の方が沁みる作風なんですよねぇ。

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