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Metal Queens / Marta Gabriel
火薬バカ一代 ★★★ (2021-07-14 23:54:23)
ポーランドが誇るメタル・ゴッデス、マルタ・ガブリエル(Vo)が'21年に発表した初めてのソロ・アルバムは、そのものズバリなタイトルが表す通り、若き日の彼女に絶大な影響を与えた、リー・アーロン、ドロ・ペッシュ、アン・ボレイン、レザー・レオーネといった女性シンガーのパイセン方へリスペクトを捧げるカヴァー曲集となっています。
CRYSTAL VIPERでも熱心なメタル愛を開陳してきた彼女ゆえ、選曲はかなりマニアック。WARLOCK、CHASTAIN、HELLIONの鉄板どころを始め、ZED YAGO、ROCK GODDESS、果てはスペインのアズセナ・マルティン擁したSANTAや、バーバラ・マルティーズ率いるMALTEZEまでフォローしているのですから、その掘り下げぶりには「マニアだねぇ」と感心せずにはいられません。MALTEZEなんて本作聴くまで(あと失恋船長さんのレビュー読むまで)存在すら忘れていましたよ。確かギタリストは日本人でしたっけ?
好きが高じてのカヴァーゆえアレンジは完コピが基本。ツボを押さえた選曲センスに加え、スピード・メタリックな①(ACID)、アルバムのリーダー・トラック②(リー・アーロン)、アンセミックな⑦(MALTEZE)、色物扱いは勿体ないストレートなカッコ良さが詰まった⑧(ウェンディ・O・ウィリアムズ)、そして本編のハイライト③(BLACKLACE)といった名曲を自分のモノとして堂々歌い上げるマルタ姐さんのVoからは、過去に相当歌い込んで来たであろうことを伺わせる、カヴァー対象に寄せる深い理解と愛情が迸っています。
単なるカヴァー・アルバムというよりは、部室で先輩が手ずから編集したお好みテープを聴いているような錯覚に陥る1枚。マルタ・ガブリエルに対する好感度爆上げ待ったなし。
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