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That One Night: Live in Buenos Aires / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★★ (2021-08-03 00:08:25)
拡散傾向にあったサウンドの焦点を再びHMに集約することで、鮮やかにMEGADETH復活を印象付けた会心作『THE SYSTEM HAS FAILED』。本作は同アルバム発表後、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで'05年に開催されたPEPSI MUSIC FESTIVALにてMEGADETHがトリを務めた際のパフォーマンスの模様を収録する2枚組実況録音盤。
デイヴ・ムスティン(Vo、G)以下、グレン・ドローヴァー(G)、ショーン・ドローヴァー(Ds)、ジェイムズ・マクドノフ(B)というラインナップで行われたこの時のライブが、未だMEGADETHの看板を掲げての活動に逡巡を覚えていたというデイヴに、バンド存続を決意させる決定打となったことはよく知られており、それを踏まえて本作を聴くと、そりゃこんだけ観客が熱狂してくれてたらデイヴも考えを改めるわな、と。
いやまぁとにかく歌う歌う。南米メタルヘッドの隙あらば歌いまくる姿勢は、例えばブラジルでレコーディングされたIRON MAIDENのライブ盤諸作でも広く周知されていますけど、アルゼンチンのメタルヘッド、そしてMEGADETHファンもその点では一歩も引けを取りません。コーラスやツインGのハーモニー・パートを合唱するのは当たり前。挙句に、曲によってはGリフまで歌ってしまうのだから凄まじい。特に“HANGER 18”や“狂乱のシンフォニー”における盛り上がりは圧巻で、テンションが高まりきったタイミングで炸裂する後者において、リフの刻みに合わせ「MEGADETH!MEGADETH!I WANT TO MEGADETH!」と絶妙なコールを入れる様にはゾクゾクさせられますよ。
タイトな演奏を繰り出すバンドだけでなく、観客に対しても敬服せずにはいられない1枚。
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