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SHOWDOWN / SHOW-YA
失恋船長 ★★★ (2021-09-08 12:46:41)
先行で公開された①には驚かされた、今までにない本格的なハードサウンドへの接近、自分達らしさを残しつつも果敢に新しいフィールドに向かおうをしている姿には驚かされたのだが同時に英詩によるぎこちなさというのか寺田の小慣れていない感を覚えたのも事実であり、レコーディング順番などもあり何とも言えないのだが今作に対する期待値は高かった。
前作でもそうとう攻めていた中で貫かれたメタルバンドとしての姿勢と35周年を迎えたベテランの矜持、今作は多くのファンを迎え撃つべく、多種多様な楽曲を盛り込んだ中で見事に打ち勝ったと言えよう。
タイトに締まったリズムプレイのハードさ、バンドの裏番長として支え続けるキャプテンの心強さ、色めきだつ鋭さをましたギター、そして老獪なテクニックを駆使し衰えを寄せ付けない美魔女な歌声、まさに魔術的なバンドサウンドに相応しいパフォーマンスを見せつけてくれました。

どの曲にも強力なフックと見せ場を設け、新旧のファンをおもてなしすべくアイデアを駆使する姿も堂に入り、少々ショウーヤ節感の強さもあるのはあるのだが、本格的な海外挑戦という意味でも、昔のアイデアも見せつけるべきだし楽曲の再構築には目を瞑りたい。アンセムみたいにどこかで全編英詩によるベストアルバム的なものを発表するのもありだろう。
勢いのある①、その流れを崩さないメロディアスハードな②、そしてドロ・ペッシュと競演した③と前半の流れは最高、その中でデジタルチックな④を持ってきたアイデアに舌を巻く、これも若井望のアイデアだというのなら、彼を選んだ運営側の勝利である。
このバンドの持つ歌謡テイストという個性を残しつつハードさを高めた今作、それはけして無理無駄のない実に理にかなった形で進みたい方向性を具現化している。本気でHM/HRをやっているバンドだから様になるのだが、聴き進めるほどに窮屈な違和感はなくなり可能性だけが広がった。中盤以降に訪れる彼女たちらしいロックサウンドを海外のマニアは、どう反応するのか楽しみである。
らしさ全開のキャッチーなハードサウンドの⑤、視界も広がる展開が特徴的な⑥、キャッチーでハードなリフもお馴染みの⑦、エアロスミス風の出だしが印象的な⑨、アコースティカルでブルージーな⑪、⑧⑩も新たなるロックアンセムとして展開していくでしょう。どうか、この方向性が一過性の話題作りで終わらないで欲しい。残された時間はけして長くないはずである。彼女たちにも頑張って欲しいものである。舐められない大人のハードサウンド、古くて新しいメロディアスロックの旨味を存分に含ませた最新作、彼女たちの代表作となるべき完成度は誇っていますね。
毎度の事なのですがMVPは中村"captain"美紀さんですね。彼女の鍵盤プレイが煌びやかな装飾を施しています。メイクをしてドレスアップした女性のように、彼女の存在感がバンドサウンドをキメていますよ。
厳ついだけではない女性が持つしなやかな美しさを音に落とし込めるのは中村さんあってでしょう。ワタクシは男なのでどうしてもそう聴こえてしまいます。差別的と言われると困りますが、対等であることと個性は別の話、女性的を思わせるものを自然に表現出来る事は素晴らしいと思いますよ。

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