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Freedom at Point Zero(Jefferson Starship) / STARSHIP
火薬バカ一代 ★★★ (2021-09-09 00:46:23)
幾多のメンバー・チェンジと、それに伴うバンド名の変更、そして音楽性の変化を経て、現在も活動を継続しているアメリカのベテラン・バンドが、’80年に発表したJEFFERSON STARSHIP名義では5枚目となるアルバム。
グレース・スリック、マーティ・バリンという主力メンバーの相次ぐ脱退で当時バンドは危機的状況下に追い詰められていましたが、そのことが逆に残された面子の奮起を促したのか、ロン・ネヴィソンをプロデューサーに迎えて新体制でレコーディングが行われた本作は、溜まっていた鬱憤を晴らすかの如く、エッジの効いたGを前面に押し出したHR寄りの音楽性が託されており、アメリカではアルバム・チャートTOP10に飛び込む好成績を残す快作に仕上がりました。
新シンガー、ミッキー・トーマスの張りのあるハイトーンVoと、元JOURNEYの名手エインズレー・ダンバーの重たいドラミングは、こうしたハード寄りの作風にドンピシャでマッチ。爽やかな曲調に泣きのGが絡む②、重厚なドラマ性を帯びた④、プログレ・ハード調のアレンジと曲展開で聴かせる⑥、ヘヴィなドラムのイントロで幕が上がるアルバム表題曲⑨辺りは、特にこの新編成の強みが活かされた楽曲。そしてトドメはスマッシュ・ヒットとなったOPナンバー①。軽快に弾むKeyリフから、哀愁を帯びたキャッチーなメロディ、美麗なハーモニーに至るまで「これぞアメリカン・メロハー!」」と膝を打たずにはいられない名曲っぷりは、これ1曲でアルバムの出来栄えを確信するに十分なくらいですよ。
バンドの長い歴史においてはあまりスポットライトが当たらない時期ではありますが、メロディ愛好家なら間違いなくチェックしておいて損はない1枚です。

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