この曲を聴け! 

Obscura / GORGUTS
悪い悪魔 ★★★ (2021-10-06 14:41:26)
以前にこの作品をこき下ろした文をここに投稿した事があったのですが、後になってやりすぎだったと反省したためその文を削除させてもらい、今回また新しくこの作品について書いてみたいと思います。
以前は2ndからこの作品にかけての作風のギャップと、あまりに通常の音楽から逸脱した音楽性とが相まって、この作品をあまり好きになれず、その気持ちを発散するかのようにこのサイトにレビューを書き殴ったものですが、今日、久々に聴いてみると前ほど悪い印象は持ちませんでした。
やはり以前の僕の音楽に対する感受性は乏しかったんだなと、まざまざと思い知らされました。
あの文を書いた後、更に色々な音楽に触れる過程で、この手の奇天烈な音楽に対する耐性がついたのかもしれません。
事実、最近はこの作品以外にも、前まで嫌いだったバンドや作品を何故か好きになってしまうという現象がちょくちょく僕の中で起きるので、時間の経過と音楽的体験を積むことによって感受性も変化するんだなと実感しました。
それとこの作品に対する見方が変わったもう一つの要因として、様々な音楽に触れるという以外に、このバンドの最新のミニアルバムを聴いたことが大きく影響しているのではないかと自分で思っています。
そのミニアルバムというのは2016年のPleiades'Dustという作品で、33分の曲が1曲だけ収録されているというデスメタルに於いてはとんでもない仕様の作品なのですが(メタルはメタルでもプログレ系では普通のことだと思います)、間違いなくObscura以降のGorgutsの作風でありながら、僕にも受け入れられる内容で非常にクオリティの高い作品でありました。
このミニアルバムが僕にとって聴きやすかった理由としてはおそらく、Obscuraよりは調性感があり、メロディアスなシーンが豊富であるからだと思います。しかし、それでもやはりObscuraの延長にある作品であったので、このミニアルバムが楽しく聴けるのならObscuraも楽しく聴けていいんじゃない?と自問してしまい、今回このObscuraという作品を改めて聴いている訳です。
で、そんな過程を経てこの作品を聴いてみると、以前より解像度が一気に上がって、作品に対する理解度も凄く上がりました。
不思議と理解度が上がるだけで、音楽に対する快感も得られるようになりましたし、以前のような不快感はほとんどなくなりました。本当に不思議です。
という訳で、以前のレビューから打って変わって手のひら返しをする形になりましたが、時間が経ったり、経験を積むと人の考えも変わるんだと捉えていただけるとありがたいです。
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