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Dirty Weapons / KILLER DWARFS
失恋船長 ★★★ (2021-10-10 05:53:18)
紆余曲折を経て辿り着いたバンドサウンドは実に硬派でメロディアスな正統性の強いスタイルに落ち着きました。バラエティは豊かだが一本筋の通った音楽性、その高潔な精神性は売れ線志向とは一線を画すものでありながらも大衆性を補完しているのも見逃せません。
メロディ派だが甘すぎるのは嫌だ、もっと攻撃的であってくれと思うメタルファンなら是非とも聴いて欲しい一枚。このバンドはまずテクニックがある、土台のしっかりとしたプレイを根幹に質の高い楽曲を用意、完成度の高さに見合う演奏力があるからこそ様になります。
伝統的なハードテイストと耳を惹くフックのある哀愁のメロディの融合、迷いがないバンド運営は決定的なカラーを打ち出すことに成功している。個人的にはもっと認知されるべき傑作だと思っているがイマイチ跳ねなかったのは残念でならない。乾いたバラードを用意したりと芸の細かさも強力な武器だっただけに、その器用さがマイナスに働いたのかもしれない、いい意味でのデジャブ感も足を引っ張っているのだろうか、個人的にはベストオブ80年代的なメインストリームよりのバンドサウンドに魅了されますけどね。
④なんてちょっぴり切ないアメリカンロッカバラード風味にキュンとなるし、そもそも頭3曲が強力すぎる。力強さと切なさが同居するミドルナンバーの⑤もエエ、⑥だって名曲の予感を漂わせるムードのあるイントロからカッコいいと、アルバムを通して捨て曲が見当たらないのが素晴らしい。
無駄を削ぎ落しシェイプされた楽曲群の凄みに圧倒される39分の旅路です。気が付けばリピートですよ。アメリカでもドイツでもないカナダという国を代表する音でしょうね。

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