この曲を聴け! 

Blood / BAD MOON RISING
失恋船長 ★★★ (2021-10-18 19:45:05)
日本一権威ある商業誌の評価によって殺された一枚として有名なアルバム。点数は70点ですが、内容はケチョンケチョンでしたからね、あの内容なら30点つけないとおかしくないの?やはり企業から接待されていますか?等など勘繰りたくなるような点数と批評のバランスが釣り合っていないアルバムとしても有名です。
あくまでもクラシックなメタルを神とするなら、今作は駄作でしょう。でもスリップノットやアヴェンジドセブンフォールド、ブレットフォーマイバレンタインなどの新興勢力が世界最高峰であり、これからのハードシーンは彼等が天下とするのならば、このアルバムの低評価に対する整合性は一切ないと断罪したい気分である。
数年後、あれだけ手のひらを反すなら、今のネット社会、あん時はゴメンね!と関係者は謝罪するべきだろうと思いますよ。それくらい、このアルバムはモダンなアメリカンロックを本気でやり切っていますのでね。
しかもギターはテクニカルでエモーション、エッジの立ったヘヴィなギターは実に魅力的でした。LIONのそれと比較するのならば退屈ですが、93年の音楽シーンはこんなもんでしたね。
むしろ、メロディアスだし起伏もある、メインストリームには寄っているがLION時代にも通ずるドラマや展開も見られます。愁いのあるカルの歌声もモダンなサウンドに潤いを与え、埃っぽいナンバーの中ではオアシスのような存在である。グランジ勢に負けまいと折衷した音楽性、本当にこれは退屈なのでしょうか?
ワタクシは古臭い音楽が好みです、グランジからは直接影響を全く受けていません。でも2000年以降のメタルバンドの多くはグランジからの影響を強く感じます、特にサウンドメイクなどは顕著でしょう、ギターのアプローチもグランジから多大に受けたバンドが多いです。
そういうアーティストは現在、どのような評価を受けているのでしょうか?過去は過去ですが、やっぱり『俺、カブキ過ぎたかも』と思ったら謝罪すべき。でなければ、ワタクシと同様、古い感性を愛して支配された編集者と名乗るべきでしょう。それくらい許されない文言でしたよ。そしてワタクシはこのバンドのファンでもなんでもありません。
ただ、今の感性で聴いて、これを断罪できる耳を持っていませんので悪しからず。
そして2000年代のメタルをルーツとする若い人にこそ再考して欲しいアルバムでもある。現代的なメカニカルでマッシブなサウンドからすると、そうとうエモーションで人間臭さが滲み出た古典と耳に響くでしょう。

→同意