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Turbo Red / Turbo Red
失恋船長 ★★★ (2021-12-06 13:14:18)
一部の熱狂的なメロディアスHM/HRマニアから隠れた名品として支持されるマニアックな一枚。ドイツ産の六人組は男女ツインヴォーカルという1991年当時としては珍しい布陣、しかも両者が分け合い唄うのが基本、サビでは互いを高め合うように絡むなど理想的なスタイルを築いている。ドイツ産と言うことで生真面目さが前に出ているのも好印象、キーボードを使い口当たりの良いメロディアスサウンドは北欧タッチなのだが、ほろ苦いビターテイストを増量させる事で甘さは控えめ、そのあたりにジャーマン風味と形容したくなる生真面目さが生きている。これといった決め技があるのかと言われると微妙だ、戦隊モノヒーローみたいなバンド名が一番インパクトを残しているが、男女ツインヴォーカルがいい感じで唄い分ける様が一番の聴き所であろう。
音楽性は類型的な唄モノサウンドである、デジャブ感も満載である。個性不足である。それが逆に安定感を生んでいるのは間違いない。そこに対する評価が全てを分けるでしょうね。
洗練されたスウィートメロディは所謂、産業ロックと揶揄される路線だろう、しかし、この絶妙なバランス感覚の上で展開される透明度の高い唄モノサウンドを聴かされると否応なしに反応してしまいます。単なるラジオオリエンテッドと切り捨てられないミュージシャン気質みたいなもの見え隠れるしています。でもアイドルグループが歌いそうな軽薄なキーボードが出てくるのはチョイと苦手ですけどね。
ツボを押さえたアレンジ、ベタにはかなわんのよ。

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