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読書とは即ち、書を読むことなりよ(らくがき帳)
めたる慶昭 (2021-12-27 06:13:44)
宇江佐真理の髪結伊佐次シリーズ「明日の事は知らず」を読了。
中でもあやめ供養が秀逸です。
伊佐次が昔掏摸だった直次郎と再開し、花屋として真面目に暮らしてる事を知る。掏摸をやめるきっかけになった女と一緒になり子供も居る。
一転、伊佐次も世話になっている医者の母が急死し、他殺の疑いが有り、医者は近頃出入りの花屋が怪しいと。
普通の作家なら此処で直次郎は前歴があれだからと冷徹に考えるか、足を洗ったんだからと信じきるかどちらかでしょう。
でも伊佐次は信じたいが前歴があれだから信じきれない葛藤に悩みます。
この描写は宇江佐真理にしか出来ない芸当だと思います。
その後使用人が犯人と分かり、医者は無実の者を疑って伊佐次を困らせたお詫びに何かしたいと言い、伊佐次は弟子の九兵衛に廻り髪結用の台箱作成を頼む。
この欲の無さと弟子思いも伊佐次らしく、珠玉の1遍となりました!

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