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Creatures of the Night / KISS
火薬バカ一代 ★★★ (2021-12-30 00:57:59)
アルバム・セールスの不振、メンバーの相次ぐ離脱、長年連れ添ったビル・オーコインと袂を別ち、次作以降メイクをやめ素顔で活動していくことになる等、転換期を迎え苦境に喘いでいたKISSが’82年に発表した10thアルバム。邦題は『暗黒の神話』。
アメリカにおけるHMブームの胎動を敏感に察知したのか、KISSのカタログの中でも一際メタリックに磨き上げられたサウンドが託されている本作。ジャケには載ってるけどレコーディングには不参加のエース・フレーリーの後任として、新たにバンドに加わったヴィニー・ヴィンセントの新世代ギタリストらしいテクニカルで華やかなGプレイ(但し本編には彼以外にも複数のセッション・ギタリストが参加)と、エリック・カーの打撃の重いドラミングもこの新たな方向性に合致しています。
ポール・スタンレーの攻撃的なシャウトを伴って力強く開幕を告げるアルバム表題曲①、個人的に本作のハイライトの推したい重厚にしてキャッチーな④、全日の殺人魚雷コンビ(スティーヴ・ウィリアムス&テリー・ゴディ)の入場テーマとして知られた⑤、エリックのドラミングが劇的な曲調を一層盛り上げる名バラード⑧、現在もライブにおけるジーン・シモンズの火吹きソングとしてお馴染みの⑩等、本編にはエッジの効いたGリフとダイナミックに駆動するリズムによって、これまで以上に輪郭がソリッドに研ぎ澄まされた印象的な楽曲がズラリ揃っています。
低迷期の作品ということであまりスポットライトの当たる機会に恵まれていない印象なれど、KISSが80年代をサバイヴする上で絶対に作る必要があった1枚であり、個人的にも彼らのアルバムの中で聴き直す頻度の高い愛聴盤であります。
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