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Thorns / TONY MARTIN
失恋船長 ★★★ (2022-01-16 18:38:27)
個人的には最近、名前を聞かなくなったなぁと思ってたトニー・マーティン。そういう意味では待望のソロアルバムなのですが、中途半端なことをやっている可能性はあるなぁと睨んでいました。ましてや実子が参加するとか親バカぶりも感じるしと、訝しむワタクシの思いを吹っ飛ばしたのが先行公開された曲の数々、まさにマーティンが求められている、様式美サバスを想起させるような神秘的なダークネススタイルの音楽性を踏襲、ド派手なゲストを招聘してお茶を濁す事も無く実に筋の通った作風へと仕上げてきた。
幾分、艶は失ったが往年のパフォーマンスと比べても遜色の無い歌声で魅了、マーティン節とも言える朗々と歌い上げる姿は実に頼もしい限りです。まだまだ第一線でやれる現役感を見せてくれましたね。
ダニー”ダンテ”ニーダムのパワフルなドラム、オーソドックスな形に終始したギターワーク、キーボードも音楽性の幅を広げドラマ性を広げることに貢献、皆が一体となり古くて新しい古典メタルを形成してくれました。
主役はあくまでもマーティン、彼の唄を聴かせる威風堂々としたサバスティカルな一枚は、あの時代の暗黒様式美を愛するマニアにはたまらんものがあるでしょう。
ロニー・ジェイムス・ディオがそうだったように、今のサバスはオリジナルメンバーが揃わなければサバスと名乗れないルールになっています。リアリティショーのおかげですっかりお茶の間の人気者になったオジー、その人気は凄まじいモノなのだが(特に嫁さんがすごいことになった)そんな大人の事情でマーティンサバスが聴けないのは寂しい限りです。そう嘆くマニアにとってもありがたい一枚でしょうね。

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