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Evil Bride / CROWLEY
火薬バカ一代 ★★★ (2022-02-15 23:48:38)
名古屋が生んだ和製サタニック・メタルのレジェンド、CLOWLEY。再結成を実現し、今度こそ活動を軌道に乗せつつある彼らが'20年に発表した待望の1stフル・アルバム。
復活後のCROWLEYがこれまでにリリースしてきたのは、幻の名盤と化していたデビューEP『WHISPER OF THE EVIL』のリマスター再発だったり、過去の名曲の数々を現編成でリメイクしたセルフ・カヴァー曲集『NOCTURN』だったりと、ある程度クオリティが担保されている作品だったので購入に躊躇はなかったのですが、純然たる新作ともなると「伝説のバンドだけにもし退屈な出来栄えだったら目も当てられない…」と、購入に若干の尻込みを覚えてしまったのが正直なところ。ただ実際にトライしてみれば、うだうだ悩んでないでもっと早く聴けばよかったと、ホッと胸を撫で下ろす見事な力作に仕上がっていましたよ。
収録曲はどれもダークでシアトリカルな雰囲気を濃厚に漂わせつつ、「サタニック」の看板に囚われ過ぎることなく、ヘヴィ・メタリックなエッジと疾走感、憂いを帯びたメロディ、そして耳に残るキャッチネスも適度に兼備。アルバム表題曲に相応しいインパクトを放つ③、ゲスト参加のケリ・ケリーのGプレイが劇的な曲調に華を添える⑤、坂本英三時代のANTHEMが演っていても違和感なさそうな⑨(初期デモ収録曲のリメイク)等は、芝居がかったVoの歌唱と相俟って、縁日のカーニバルや見世物小屋の暗がりから、こちらに向かって笑顔で手招きしているような(?)妖しげな魅力を振りまいています。
楽曲のクオリティの高さに比べると、音作りに関しては若干の物足りなさを感じなくもないのですが、レジェンドの1stフル・アルバムとして文句のない出来栄えを誇る1枚。

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