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Crazy Nights / TYGERS OF PAN TANG
失恋船長 ★★ (2022-02-20 20:45:21)
ロドニー・マシューズが描くキングコングをモチーフにしたジャケットも印象的なアルバム。音楽性は完全にアメリカン志向へと向かい前作のようなギラギラとした野心漲るNWOBHMスタイルから交代、最初のアルバムに通ずるような古典ロックへと回帰した。
派手なギターよりも唄を頂点にアンサンブルを構築する路線へと変更、デフレパードスタイルと言えばそれまでだが、多くのNWOBHMバンドはメジャー契約と引き換えに攻撃性を失ったのは、このバンドだけの問題ではない。そういう世相や政治事情を汲み取り音楽を楽しむ必要はないのですが、知っていると知らないとでは味も違ってくるでしょう。また、このバンドの首謀者はロブ・ウィアーであってサイクスではない。
①もさることながら②テンションはだだ下がり、④でようやくエンジンが掛かるのだが、キレのあるリフ主体のNWOBHMから脱却を図る新生パンタンサウンドなので、そことどう折り合いをつけれられるかで評価が大きく変わるでしょう。
前作に比べギターチームのインパクトが弱まった分、全体的な地味さ加減は拭えない、しかし、マイルド路線にしてはジョンの歌声はパワフル過ぎる、彼の声は主張が強い。そんなジョン・デヴァリルの上手さが光るアルバムになっている。最初の3曲のイメージが良くないので、余計にそう感じてしまいます。よく聴けばギターチームの見せ場はあるのに不思議なモノですよ。

ちなみにプロデューサーはAlcatrazzの1stを担当したデニス・マッケイ。

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