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Midnight Empire / ONE DESIRE
火薬バカ一代 ★★★ (2022-02-23 22:39:20)
若干15歳という、殆ど「少年」なメンバー達によって結成されたフィンランドのSTRUM AND DRANK。そのシンガーだったアンドレ・リンマンが同バンド解散後、新たにフロントマンとして参加したことで注目を集めた5人組ONE DESIREが、’20年に発表した2ndアルバム。
既に廃盤の1stアルバム(中古盤市場じゃ、キングから発売された日本盤に5桁のプレミアが付いていてビックリ)も大変素晴らしい内容でしたが、本作とてクオリティでは一歩も引けをとりません。元々プロデューサー業にも勤しむメンバーを中心に活動しているバンドだけあって、外部ライターの招聘に全く躊躇がなく、本作にはFIRST SIGNALやFIND ME等への関与で知られるソーレン・クロンクヴィストや、KAT-TUN、少女時代にも楽曲提供を行うトム・ジークマイヤー、CODE REDのウルリク・レンクヴィストら、手練れのソングライター勢が収録曲を持ち寄ってくれています。そりゃ逆立ちしたって出来の悪い作品にはなりようがありませんわな。憂いが溢れ出すサビメロが胸を打つOPナンバー①、キャッチーな曲調に哀メロが絡む⑥、ライブ映えしそうな高揚感に満ちた⑧なんて、アルバム・ハイライト級の名曲ですよ。
勿論、外部ライターに何から何までおんぶに抱っこということはなく、特にアンドレはシンガーとしてのみならず、秀逸な作曲センスをも如何なく発揮。彼が手掛けた④は職業ライター陣のペンによる楽曲と比べても聴き劣りしないクオリティを誇っています。
一作目の出来栄えがフロックでなかったことをしっかりと証明してくれた力作です。
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