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Nothin' to Do But Rock / HAMMERON
失恋船長 ★★★ (2022-04-09 18:23:57)
世界中のカルトマニアが血なまこになって探していると言われるUS産パワーメタルバンドの1st。リリースはメタルバブル吹き荒れる1986年、そんな時代に筋骨隆々なマッチョメタルを披露と、時代と逆行する分けですからリアクションは良好とは言えなかったでしょう。
また、大胆なオマージュも多いので気になる方は早い段階で脱落するでしょうが、個人的にはそこがツボだったりと、この無頼なコンクリートサウンドの中にねじ込まれる情緒のあるメロディとキャッチネスさは、少々無愛想なアメリカンロックの中に細やかな表情を与え、安直な拝借すらも味方につけられるメタル愛を猛烈に感じてしまい、ランニングタイムの短さも手伝い気がつけばリピート再生となります。とは言え、今作がどうして高額なレートがつくのかはイマイチ理解できないが、今では簡単に試聴できる環境なので、グランジ以前のアメリカンハードサウンドに興味がある方は是非とも聴いて欲しい一枚であります。
アメリカのバンドでありながらもヨーロピアンテイストも強めの叙情派スタイルは、確実に日本でも需要のあるサウンドでしょう。派手さはないが堅実な演奏も素晴らしい、のちにCyclone Templeやジョー・スタンプ等で活動する、ブライアン・トローチの歌声も説得力があり、この手のスタイルのヘヴィメタルサウンドにフィットしていたのも高い評価に繋がった要因でしょう。
今回久しぶりに聴き、以前のイメージとはだいぶ違う印象を受けましたね。もっと不器用なスタイルだと思っていたのに、思いのほか楽曲に色艶があり、情緒のあるメロディに魅了されました。ド派手に走らないメタルの格好良さ。いいバンドだなぁ。こうなると高値のレートに納得しますよね。
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