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Ten Years / PHARAOH
失恋船長 ★★★ (2022-04-11 15:26:11)
知る人ぞ知るUS産のパワーメタルが2011年にリリースしたEP。このアルバムしか知りませんが未発表曲を中心にカヴァー曲を2曲追加した6曲入りの作品になります。
そのうち、一曲がスレイヤーのTormentorとなると俄然興味も沸きますよね。
このバンド、とにかく熱いメタルスピリットが迸っています。アメリカのバンドらしい光沢なまめかしいコンクリートサウンドと欧州的な泣きの感性を巧みに融合したストロングスタイルのサウンドはどれもがクール。どこかファンタジックというのか好戦的でドラマティックなフォーキーさもあったりと、一筋縄ではいかない魅力を発散、その豊かな音楽的土壌を感じさせる幅の広いアレンジと演奏技術に唸ります。詳しいバイオはサッパリなのでネット検索をして調子こくと、恥をかくので止めますが、スレイヤーのカヴァーを聴くだけでも十分に価値はありますよ。血塗れのスプラッターメタルが、凜とした佇まいの正統派サウンドに生まれ変わるのだから、その確かな手腕に舌を巻きますね。
少々、直線的な唄い回しのシンガーのもって生き方に賛否もありそうですが、バックの演奏に負けない力強さを保管しているのでも問題なし。なにより、アクロバティックなツインリードも難なくこなすギターチーム、そして手数の多いドラムは強靱なグルーブを持ち入り聴き手を魅了、バンドを牽引する凄腕ドラマーですね。
雑誌読んでいないので、このバンドの認知度や立ち位置は分かりませんが、ここまで本格的なスタイルを極めたUS産パワーメタルバンドが日本で無視された状況なら残念ですね。
アメリカ産とは思えない泣きのメロディと情緒のあるフレーズ。日本人に受けそうな要素はたっぷりあると思うんですけどね。

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