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The Age of Quarrel / CRO-MAGS
失恋船長 ★★★ (2022-05-09 21:21:24)
ハードコアパンクスとヘヴィメタルの融合を早い段階で実現していたUSメタルシーンの裏街道を仕切っていたバンドの一つが彼ら、BLACK FLAGなどにも通ずるバイオレントな音楽性とメッセージ性の強い歌詞は聴くモノに強烈なインパクトを残している。
当時の日本では、どのような形でこのバンドが紹介されたかは知らないが、大手メディアが好意的に伝えることは皆無であった。
なんと言っても1986年と言えば猫も杓子もビバアメリカと言わんばかりに、音楽性を修正していた時代、その流れに反目する形で、こういう硬派なバンドが気を吐いていたのは間違いない。SAXONアメリカンナイズドなど笑止千万なアメリカンブームがシーンを征服していましたからね。
ウネリを上げる重厚なリズムはグルーヴィン、攻撃的だが腰にくるノリの良さと、ソリッドでヘヴィなギターは、空間をぶった切り威圧感を与える、その音像に触れるだけでケガをするようなテンション、それに負けないヴォーカルの雄叫びは実に野性的であり、虐げられたモノ達の怨嗟が乗り移っているかのようだ。
おどろおどろしい空気すら漂うミドルナンバーすら手なずけたニューヨーク産パンクスのメタルな叫び、その折衷サウンドのクールでメタリックな響きを体感して欲しい。勿論、スピード狂を満足させるナンバーも目白押し、なんたって15曲入りで、33分しかないんですからね。
今の若い人たちにとっては、80年代なんて軟弱だと映るでしょう。浮かれ弾ける時代があったのも事実だし、華やかさを謳歌していたのは間違いないが、それはメジャーシーンの話、そんな浮かれポンチのロックンロールにツバを吐きつづげたバンドがいたと知って頂きたい。
このバンドから影響を受けたバンドが少なくない事を確認出来るでしょう。
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