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Visions of the Past / AXE WITCH
失恋船長 ★★★ (2022-05-14 20:16:39)
知る人ぞ知る初期の北欧メタルシーンを支えた老舗バンドによる2枚目のフルアルバム。雑誌の影響もありヨーロッパが元祖北欧メタルみたいに言われるが、あれは嘘ではないが本当ではありません、強いて言えばワールドワイドな成功を収めたであり、音楽性に直結する事はありませんね。キーボード込みのスウィートメロディは、スウェーデンでもソフトケイスされたバンドと認知さていますので、そのあたりは完全に否定しておきます。

スカンジナビア半島のロックバンドが一堂に介するコンピ作などにも顔を連ね、認知度を高めた中でのデビュー、いなたさの残る古典サウンドだった前作から比較するとNWOBHMの風は北欧の地でも吹き荒れており、今作にはその影響の強さを確認出来ます。初期型北欧メタルの雛形と言える作風、ここには冷ややかなメロディはあれど、糖度の高いオーロラサウンドをは一線を画す、剛毅なロックスタイルに軸足を置き、力こぶを作りながら名いっぱい演奏してる。

芋臭さが褒め言葉に値する元祖北欧メタル群。今作の出来映えに目をつけた海外のレコード会社の存在もあり、ローカルヒーロー達はより高いステージへと上り詰めます。
どんなにNWOBHMの風が吹こうともお国柄は音に反映されます。本人達が意図しなくとも溢れ出る北欧マインド、ここで聴ける80年代中期から勃興するメタルサウンドへの接近を図りビルドアップされた北欧サウンドは、自らのアイデンティティが色濃く投影されています。熱気のある古典ロックとクールな北欧メロディ、日頃、大手レコード会社から流通されている作風ばかりを慣れ親しんでいる人には、イチミリも勧められませんが、まだメタルという言葉が曖昧な時代に雨後の筍の如く、世界中から溢れ出た野心に溢れた若き野郎どが奏でるピュアサウンドに心が焦がれますねぇ。

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