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Burning at the Speed of Light / THRASHER
失恋船長 ★★★ (2022-05-16 18:48:36)
オープニングで勢いよく歌い上げるのはT.K.Oのブラッド・シンセル、彼の押しの強い歌声にペットボトルを投げつけられたほど仰け反るのだが、バンド名スラッシャーに対して、随分と活きのいいアメリカンロックを聴かせてくれる。参加メンバーが多くバンドなのかプロジェクトなのかつかみ所の無いグループだったが短命に終わった為に詳細を把握しきれません。次はリック・コードルの登場、彼のエモーショナルでブルージーな味わいは、ガラリと空気を変えアルバムをグッとしめました。④ではBLACKLACEのマリアンヌ嬢も参加、疾走感のあるグルーブが心地よい⑤で唄うのはHELSTARのジェイムス・リベラ、リードギターにも負けないベースを聴かせてくれるのはビリー・シーン。その相乗効果もあったのかギタープレイもギンギンである。あえてギンギンと言いたい。
ダン・ビーラーがリードヴォーカルを務める⑦は、ド派手なギターバトルも登場、ケン・シモンズ(渋い選出だなぁ)、ダン・スピッツ、ジャック・スターらも客演、アンディ・マクドナルドも交えアクション映画さながらの火花散る名演となっていますね。
⑧では、皆さんお待ちかねの、レット・フォリスターのシャム猫シャウティングもクールに決まりシャッフルします。
ラストがイマイチな曲というのかクローズドナンバーがしまらないため試聴感はイマイチ上がらないのだが、US産メタル裏街道組が一堂に介してド派手はヘヴィメタルを力一杯やっています。
ブラッド・シンセルが唄うパワーメタルナンバー③の快活さに、聴き手もT.K.O寸前のロープ際まで追い詰める勢いもあるし、正統性の強い⑥のクールな響き、プチゴージャスメンバーにつられて聴いても間違いの無い一枚と言えるでしょう。
メンバーも音楽性も決め手に欠けるじゃないかぁと指摘されたらイチミリも反論出来ませんが、ハイテンションなバンドサウンドは、陽性なメジャーサウンドではなく路地裏スタイルの流儀を貫きつつも正攻法で迫るアメリカンロックの格好良さをダイレクトに伝えてくれるでしょう。
でも全然スラッシャーなサウンドではないので、そこを求める方はスルーした方が良いかなぁとは思いますがね。
ゲイリー・ドリスコルも④で叩いている。うーん、色んな意味で時代に乗り遅れた中堅どころの逆襲劇に映るのが個人的にはポイント。討ち死にとはなったが、犬死にではないぞ。シーンに爪跡残したぞと言いたいですねぇ。
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