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Katharsis / PRAYING MANTIS
失恋船長 ★★ (2022-06-02 11:42:03)
日本では根強いファンを獲得している叙情派HM/HRバンドのフルアルバム。メンバーチェンジが多く腰の座りのわるいイメージもあるのだが、今回は前作のラインナップを引き継いでいるようで、このあたりも安心材料ですよね。レーベルはメロディアスロックの総本山、我らがFrontiersですから、再生前から音が聞こえてきます。
そんな盤石の体制から生み出された今作は、彼らの専売特許と言える憂いのある叙情派サウンドを真っ向から展開、その嫌みの無い温かみのあるメロディにホッコリとさせられます。初期の頃のような荒さや、ロック然として攻撃性は弱いかも知れませんが、多くのファンが待ち望んでいるスタイルを踏襲、スリルと引き換えに安らぎをもたらす、癒やし系ハードサウンドは、常に自らに求められているクオリティを超えてきています。
新しさを拒むのではなく、やんわりと拒絶している古典ロックの輝き、それは現代人が忘れている精神性のように感じられる。フォロワー数が、その人間の価値を計るモノならば、直ぐにでも音楽性を変えるべきである。
しかし、ここには伝統が息づいている。それで良いのではないのだろうか?代わり映えのない清い姿勢、時代を超越した優美なハードサウンドの凄み。ここは素直に耳を傾けるべきでしょう。

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