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Face The Music / BURNING RAIN
失恋船長 ★★★ (2022-06-02 12:06:41)
ダグ・アルドリッチと言えば苦労人というイメージが圧倒的に強い。世良公則とアコギによるデュオでツアーしたりと、ダグ・アルドリッチの行く末を案じていましたが、DIOに見切りと付けギャラの良いWHITESNAKEに加入したあたりから好転したようで、色んなバンドに顔を出し精力的な活動をしているように感じる。ドサ回りをせずに飯が食えているのなら幸いですね。
今作を聴き真っ先に感じたのはホワイトブルースを基調としたダイナミックなハードサウンドを展開、豪快なヘヴィグルーブと渋めの楽曲はモロにWHITESNAKEを想起させるモノであり、いい意味でのインプロヴィゼーションを感じさせるライブ的ノリが楽曲から醸し出されており、腕のあるベテラン組から生み出される生身のロックに唸ります。
ゆるくやっているようで緊張感が漂い、その静かなバトルは熟練されたモノ達が習得した技巧をたっぷりと贅沢に味わえます。かつては教則本のようなギターソロと叩かれたダグも、エモーションを込めたプレイで魅了。ビックインジャパンの代表的なミュージシャンと言えるダグだが、もうそんな悪口を言われるようなアーティストではないだろう。
本家であるWHITESNAKEは80年代後半の成功で見せつけたエンタメ性の高いバブルロックを今もやっている。モダンでゴージャスなサウンドで天下を取ったが、もはや初期の頃とは別物であった。今作は、そんな本家にないバンドとして生身のバイブが存在する。古典ロックかくあるべきな制作環境とミュージシャンシップが生み出した輝き、ブルースベースのハードサウンドが、好みの方にはドンピシャの音楽性であろう。

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