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Milano Calibro 9 / OSANNA
火薬バカ一代 ★★★ (2022-06-08 23:57:21)
普段プログレッシブ・ロックはそんなに興味を持ってチェックしているジャンルではないのですが、NEW TROLLSの『CONCERTO GROSSO 』に感激して以来、イタリア産のバンドに関してはついつい食指をそそられてしまい、特に「哀愁」「メロトロン」といったキーワードを売り文句にされてしまうと、パブロフの犬状態でヨダレが溢れ出してしまいます。
イタリア・プログレ・シーンの大御所OSANNAが'74年に映画『ミラノ・カリブロ9』のサントラ盤として制作した本作には、前述の『CONCERTO GROSS』レコーディングに多大な貢献を果たした音楽監督ルイス・エンリケス・バカロフが参加しており「それもう絶対に最高のヤツじゃん」と、アルバムの存在を知った瞬間に慌てて買いに走りましたよ。そして実際に最高だったという。
「静」の魅力で聴き手の涙を搾り取った『CONCERTO~』(厳密にいえば違うのですが、そこを説明しようとすると長くなるので割愛)に対し、本作はKING CRIMSONからの影響を伺わせるヘヴィかつアグレッシブなバンド・セクションと、バカロフが手掛けた濃厚な哀愁を纏って奏でられるオーケストラ・セクションとが、時に真っ向ぶつかり合い、時にドラマティックに融合し、全10楽章で構成された40分以上に及ぶ大作を緊張感を途切れさせることなく語りきる「動」の魅力が肝。特に“テーマ”と題された②では本編の魅力を凝縮させた泣きのメロディが炸裂していて辛抱たまらん!と。
映画のサントラという変則的な作りですし、OSANNAの代表作なら『PALEPOLI』の名前が真っ先に思い浮かびますが、本作も見かけたら是非チェックして頂きたい1枚であります。

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