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Earth Infernal / SATAN
火薬バカ一代 ★★★ (2022-06-13 23:40:29)
イギリス全土のロックダウン、新型コロナウィルスに感染したサウンド・エンジニアが危篤状態に陥ったり(後に無事回復)、メンバーの負傷やレコーディング・システムのクラッシュ等々、山盛りに重なった災難を乗り越えてSATANが'22年に発表した8thアルバム。
結果的に前作から4年のブランクが空いてしまったものの、不動のラインナップは健在。お馴染みエリラン・カールトンの手による死神ジャケットをフィーチュアし、ブライアン・ロスのニヒルなVoと、切れ味鋭く斬り込むスティーヴ・ラムゼイ&ラス・ティッピンズ鉄壁のツイン・リードを乗せて、グレアム・イングリッシュ、ショーン・テイラーのリズム隊が突っ込み気味に駆け巡るSATAN流HMサウンドには今回も微塵の変化も見受けられません。
「変化なし」というとネガティブなイメージを抱く場合もありますが、SATANに関しては完全なる誉め言葉。ミュージシャンたるもの経年による嗜好/技量の変化と無縁ではいられませんが、復活前と復活後のサウンドにギャップを感じさせず、改名や解散期間を挟んで尚、ここまで80年代から地続きの音を出し続けるバンドは寧ろ尊敬に値するというもの。あと本作を聴いていて実感したのは、アナログなラフさを残したプロダクションがSATANらしさの創出に大きく貢献している点で、コロナに倒れたエンジニアの回復を待つために、バンドがわざわざレコーディング作業を遅らせたのも納得できるというものですよ。
頭とケツを〆るスピード・ナンバー①⑨から、いかにも英国産な憂いを帯びた⑥、重厚に本編を盛り上げる⑩に至るまで、SATANの帰還を力強く宣言する力作に仕上がっています。コロナが収束し、一日も早く来日公演が実現することを願って止みません。

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