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The Amazing Grace / JOHN ELEFANTE
火薬バカ一代 ★★★ (2022-10-04 00:38:41)
クリスチャン・ミュージック・シーンの名プロデューサーにしてKANSASの二代目フロントマン、あと個人的にはMASTEDON名義でリリースした3枚のアルバムの素晴らしさも印象に残っているジョン・エレファンテ(Vo)が、’22年にESCAPE MUSICから10年ぶりに発表したソロとしては5作目となるアルバム。
KANSASやMASTEDONの諸作は愛聴していても、この人のソロ・ワークまではフォローしきれていませんでした。ので久々に日本盤の発売が実現したのを機にチェックしてみれば、これがファンの期待にきっちりと応える、衰え知らずの伸びやかな歌声、しっとりと心潤わす哀愁のメロディ、それにクリスチャン・ミュージックならではの美麗なボーカル・ハーモニーに心癒されるAOR/産業ロック・サウンドに仕上げられていて、思わず虎眼先生ばりに「できておる喃、ジョン・エレファンテは…」と呟いてしまった次第で。
80年代からコンビ芸を披露してきた兄ディノ・エレファンテは今回残念ながら不参加。曲作りは主に新加入のフランク・ボックスバーガーと共に行われているのですが、このギタリストが楽器の腕前のみならず作曲者としてもなかなかの逸材ぶりを発揮。本編の幕開けを劇的に飾る①、アルバム表題曲に相応しい哀メロの洪水に押し流される③、ヴァイオリンの存在のみならず、軽快さとドラマ性を併せ持った曲展開でもKANSASらしさを振りまく⑤、Gの泣きっぷりにグッとくるバラード⑤や重厚な⑧等々、KANSAS、MASTEDON時代に勝るとも劣らぬ収録楽曲は、ディノの不在をまるで意識させない充実っぷりを誇っていますよ。
名前聞いたことあるけど音は知らないという方は、本作を入門盤にいかがでしょうか。
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