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Made in Heaven / JAG WIRE
失恋船長 ★★★ (2022-10-29 13:13:55)
2021年に『Made In Heaven... Not Dead Yet』というタイトルで再発盤が出た幻の一枚。ライブ音源+前身となるSIN時代のシングル2曲を追加、ある意味バンドの代表曲とも言える『On the Run』のオリジナルヴァージョンが聴けるわけです。
そういうレア度もあがり作品としても価値も上昇。オリジナル盤を見たことがないので分からないのだが、こちらで自動登録されているモノと曲順も違いますので下記にて記入いたします。
1-All My Love
2-Heat Of The Night
3-Traitor
4-Love Can't Wait
5-Nothing At All
6-On The Run
7-Made In Heaven
8-Takin' The City
9-Black Cat
10-Calling You
11-On The Run
12-Captured In Time
13-Rockin' All Night
14-Magic Is Done
15-Not Dead Yet

メイドインヘブンなんて脳天気なアルバムタイトルですが、音楽性の方が緊張感が漂いキーボードを巧みに使いつつもハードテイストも損なわないアレンジで魅了。情緒のあるメロディック路線は、日本人の感性にもビンビンに響くでしょうね。
唄も力負けしない確かな実力で楽曲の魅力を押し上げ、叙情派アメリカンハードサウンドとして多くのマニアの耳を捉えますよね。
1985年という時代、まもなく勃発するメタルバブル、この時代にも既に予兆はあったが、あの時代に毒されすぎたメジャーシーンが好きな人には、少々戸惑いも多いでしょう。KEELも軟弱になったし、WASPもLIZZY BORDENもメジャー仕様だよ。RATTだってキレのあるスピードナンバー捨てたからね、そんな浮かれまくるメジャーシーン。そういう過度の大衆化を図らなくとも、このようなメジャー感をハードな魅力を損なわないバンドがいたことを知って欲しいですね。

とくに80年代のメジャーシーンを小馬鹿にする若者にこそ知って欲しい。Too muchな80年代中から後期に掛けてのバブルメタル、その中にも確かなバンドはいたが、みな様式を変えられた。このバンドもメインストリーム寄りである。でもアーティストとしての矜恃も同時に感じられ、売れ線志向とは別のベクトルを放っている。
欧州ほど泣かないメロディアスハードサウンド、その絶妙なバランス感覚を楽しんで貰いたい。硬軟交えたシリアルな作風は、懐かしいだけでは無い新たなる発見にも出会えるはずである。全てにおいて、知名度や批評家のレビューで評価が決まる時代。飯食うのも点数だ、そんな時代だからこそ知って欲しい一枚ですね。

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