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Arrival / JOURNEY
失恋船長 ★★★ (2022-11-22 12:15:11)
やはりバンドを去ったというか、予定調和とも取れるスティーブ・ペリーの脱退劇。その後も復活の話がないので、ゴシップネタもまんざらでもないのだろう。
時代的にも、JOURNEYのようなバンドが立ち入る隙も無く、今更感も強い中で日本先行という形で世に出た一枚。ドラムも抜けたのだが、これが唄えるドラマーとして今では知られるディーン・カストロノヴォを迎え、新たなるフロントマンには、スティーヴ・オウジェリーという前任者の穴埋めを行うのに適した逸材をゲット。イメージの強いバンドだけに、後任探しには苦労したろう。余りも違えば文句を言われる、かといってモノマネタレントでは話にならない。
そういう観点で見れば、同系統の素晴らしいシンガーを連れてきたのは大正解だ。スティーブ・ペリーの凄さは、あの語尾に掛けるヴィヴラードにある、中々ああいうテイストでは唄えない、その類い希な表現力を持つペリーと比較されるオウジェリーは、自分の型で勝負していた。モノマネではない完コピとい離れ業、その最大限の努力には賛辞を送りたい。
とは言え、楽曲の方は少々置きにいった感が強いので、ボートラ入の15曲は少々中弛みを覚える。もう少しガツーンとくるのを散りばめれば印象も違うのだが、それは趣味趣向の問題、一曲一曲の出来映えにケチのつけようなど無い、ジャーニーの名に恥じない優れた一枚だ。今となっては無かった事にもなりかけているので、見逃したジャーニーファンは勿論だが、若いメロディアスロック好きにもクラシックサウンドとして推しておきたい。
→同意