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Dilema / MAY
失恋船長 ★★★ (2022-11-24 13:05:51)
マレーシアのメタルシーンを語る上では外すことの出来ないベテランバンド。日本ではラウドネスのような存在なんでしょうね。今作は1988年にリリースされた1st。アジアン歌謡なエッセンスもあるし、ジャパニーズメタルからの影響も顕著であるが、そういう影響も下地にアジアンメタルを全開でやっている。
このバンドがマニア筋で有名なのは5曲目に収録されるKeadilanという曲が、エイドリアン・スミスがアースシェイカーに提供したDARK ANGELそのものなのである。似ているではなく完コピなのである、カバーなのか、まさかのオリジナルで濁しているのかが、チョイとした論争になる、そんな関係者には笑えない東南アジアあるあるの盗難事件に遭遇。個人的には大混乱である。初見では一度止め頭から聞き返す作業に出た。

オープニングナンバーではコーマーシャル性の高いポップソングもやるが、ガッツのあるメタルもあるので、色々と混乱させられる。
また、アイデアの流用をリスペクトとするにも、5曲の例があるせいで、6曲目もラウドネスの魔界典章にしか聞こえてこないという事件を誘発する。そういう点にダメ出しをすると全滅する可能性のあるアルバムではあるのだが、ビルド&スクラップで大きくなった日本と同じだよなぁとワタクシは好意的に受け止めて楽しんでいます。
マレーシア言語も分からず、個人的には5曲目問題も解消しないのでモヤモヤがあるのだが、マニアにとってはそこも込みで楽しんで欲しい。昭和歌謡メタルなんか懐かしいなぁ。
そして改めてアースシェイカーのDARK ANGELは名曲だ。このアルバムでも抜きん出ている。

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