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Metal Rages on / Atomik Cocktail
失恋船長 ★★★ (2022-11-25 12:30:22)
このバンド、かつてはCutthroatという名前で活動、その後、Thunderと改名してデモテープを制作。結局、契約に至らなかったのがバンド消滅へと繋がったのだが、彼らが活動していた80年代中期において、バンドが出している音が余りにもストレートなメタルだったというのも問題だったと思う。どこか妖しげなグラム臭もするのだが、パンチの効いたストレートなロックはアメリカンメタルならではの、小細工無用なステゴロスタイルを取っており、硬派な面もフォローしていた。華やいでフワフワのヘアースタイルがもてはやされ、音楽性もソフトケイスされる中で、浮かれすぎたシーンと距離を取っている音楽性は評価出来る。
この音源の元はカセットテープで『Space-Metal Vampires from Hell』というタイトルだったのだが、ギタリストのブルース・バッテンが権利を主張してCD化した際に現在のタイトルへと変りました。
前述したThunder時代の楽曲も入った実に懐かしい匂いのする80年代型メタルをやっています。どこか悪っぽい雰囲気を出すのも、80年代らしいし、グラム系からの影響と裏路地バットボーイズ風味に硬派な地下メタルを混ぜ合わせたサウンドは、適度に垢抜けておりマニア筋には十分にウケる要素も大でしょう。でも正式な商品としては、物足りなさはある。やはりShok Parisとか、硬派なパワーメタルの中に華やかさを取り込みビビらせたバンドはいますからね、そこまでの迫力はありません。

個人的には、なんとなく商品化の際にもめ事は無かったのかいう疑念からくるキナ臭さがチョイとマイナス。でもなんか懐かしい音である。メジャーになりきれなかった男達。思い出の一枚に共感出来るマニアには愛着も沸くだろう。

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