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Oral Sex / Oral
失恋船長 ★★★ (2022-12-11 17:30:05)
とんでもないアルバムタイトルに躊躇する人も続出です。橋のたもとで撮影されたジャケット、ボンテージ風ファッションに身を包み、どんなバンドなのかコンセプトも伝わらない微妙な表情を浮かべる3人の女性、クレジット的にもこの3人のバンドなのかと錯覚するのですが、実は演奏しているのは男性であり、唄を売っているのが女性という嗜好、なんでそんなお遊びをぶっ込んだのかは分かりませんが、確かに、ゆるい3人からは想像できないまともな演奏に納得しました。
陽性な空気を運ぶ女性シンガー、そしてハードにドライブするロックンロールは、ヘヴィさには欠けるが軽快に駆け抜けるので、この女性を生かすパンク的なアプローチと考えると大きな不満は無い。
とにかくファニーな親しみやすさとエロい歌詞、そういうものをコンセプトにロックをやっていると言うことなのだろうが、英語が分からないワタクシには、どのような比喩があるのかも分からずに、単純に音そのものでしか判断できません。
もう少し深みのある低音を好むのだが、ギターリフもキャッチーで親しみやすくオーピニングナンバーのHeadから炸裂している。

ただ、やはりどうしても倫理観が、このバンドを拒否する自分がいるのは否定しない。女性軽視と言えば良いのか、どうにも好きになれないエロコンセプトである。
明るいパンクロックに絡むアンニュイでヌルッとした歌声は、なんだか妙に生々しい、そして以外に癖になる。上手いわけでもないし、魅力的でも無いのだが、このサウンドには絶妙に合っている。歌メロも秀逸なのがポイントだろう。

雑誌の評価も酷く演奏は最低と言われたが、それは当てはまらない、もっと酷いバンドがいますからね。ウエンディOウィリアムスやガールスクールの方が気合いが入っているが、こういうのは大ありだろう。特に過去の悪評を知らない若い人には、奇妙な組み合わせに、どこか興味を惹かれるのではないだろうか、輸入盤市場でも話題になったという話も嘘ではないですよ。
聴きすすめる内に中毒性を発するパンクメタル、久しぶりに聴いたが昔よりも圧倒的に好感が持てる。

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