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今週のアルバム10選
失恋船長 (2022-12-14 17:44:46)
『連休は映画を見て過ごしたい』


①復活の日
日本が世界に向けて制作された本格的なパニックヒューマンムービー。
小松左京の原作を角川が映像化、今見ても全然通用する内容とストーリー。
CIAが極秘に作った最近兵器を盗んだ一味が乗った飛行機が墜落、それから一年経たずで世界は破滅の道へと向かう。
そして大地震によるアメリカの核国防装置は作動、ソ連へ向かい爆破、その後、ソ連からの反撃システムより世界は2度目の破滅へと向かう。なんとも壮大なストーリーであり、印象的なシーンが沢山ある。私が好きなのは渡瀬恒彦扮する南極越冬隊に隊員が、アメリカの少年からの無線を傍受するシーン。あの切なさを鬼気迫る演技に胸が締め付けられる。
印象的なシーンや台詞も多く何度見ても引き寄せあれる。これが公開当初、不評を買い商業的に失敗したと言われるのだから衝撃である。今の方が絶対価値が高いだろう。近年のコロナウイルス流行における、科学的なエビデンスを持たずに、感情論を垂れ流すメディアの姿に、この映画の前半におけるパニックシーンを重ねた人も多いでしょうね。
主題歌ジャニス・イアン「You are love」の美しさ、物語と重なります。そして木村大作のカメラが映し出す自然の美しさに息の呑みます。2時間30分越の大作ですので、途中で休みを入れて視聴することをオススメしますね。
ハリウッドリメイクをお願いしたい。
この映画には思い入れがある。主要キャストが外国人のため、字幕スーパーが7割以上。そういう性質から邦画という概念から外れる、あまた所謂ハリウッド賛歌、邦画、洋画と区別するように、洋画ファンはハナから相手にしないという現状がある。
日本の音楽シーンと同じですね。令和四年の今でも洋楽、邦楽と区別します。そして批評家のレビュー。こういう偏見セットが現存する日本という特殊な環境が招いた悲劇が根底にある。ライフ・イズ・ワンダフル=人生はいいものだ。劇中の台詞が胸に染みます。


②狼やくざ~弔いは俺が出す
タイトルからしてぶっ飛んでいますがストーリーも負けていません。内容に言及するつもり無し。
藤竜也、千葉真一、渡瀬恒彦、成田三樹夫、堀田真三、深江章喜などの顔ぶれにグッとくるマニアならば内容などお構いなしです。
この昭和感満載のタイトルだけで十分でしょう。


③晴天の霹靂
劇団ひとり監督の映画。偏見の強い人には勧めないが、出演者の無駄使いのない実に素晴らしいヒューマンコメディ。
大泉洋という俳優の良さを存分に引き出している点も評価したい。そして二人の掛け合いも絶妙な感覚でコントにならずに成立させている。上手い二人、ベタだからこそ素直に感動できるお伽噺。ワタクシはこういうファンタジーを甘受したい。
早い段階で、お母さんの真意と真の姿を見せたのも良かった。


④ニードフル・シングス
スティーブ・キング原作の映画。その人物が欲しがるレアなお宝を格安で譲り受けるからりに、チョットしたイタズラを仕掛けるように提案。
奇妙な提案だが、喉から手が出るほど欲しかった一品を前に村人は、その要望を受け入れるのだが、その小さな悪意が雪だるま式に膨らみ
街全体を包み込むことになる。
エド・ハリス扮する保安官がカッコいいのだが、マックス・フォン・シドー扮する人の良さそうな骨董屋が秀逸。
あんな善人が悪魔とはね。風刺も効いていますなぁ。


⑤ザ・ロック
ベタだがいい映画だった。エド・ハリスの仲間の栄誉と身分を回復するための大それた犯罪。しかしそこには理がある。
だからこの映画は単なる善と悪の構図にはならない。まだB級スターに陥らない時代のニコラス・ケイジも大活躍。
でも彼が科学に強い聡明な人物には見えない。その変わり謎めいた元スパイのショーン・コネリーは当たり役だ。
オチも良かったなぁ。
それに金もめちゃくちゃ掛かっている。

⑥裸の銃を持つ男
バカバカしいコメディを一つ。
随所に効いているジョークもアメリカンな奴だと笑えないのだが、この映画は問題なし。
盛大に馬鹿笑い出来ます。フリが効いている笑いなのもベタで優しい。
レスリー・ニールセンの憎めないキャラもイイですよね。
あのOJシンプソンも出ています。


⑦太陽を盗んだ男
この映画もオープニングからぶっ飛んでいますね。バスジャック事件はほんの序章です。
当時の日本も責めていますよ。今ならスポンサーなんてつかないよ、この内容では。やはりジュリーが出演するというのも大きいだろう。菅原文太もいるしね。



⑧さがす
佐藤二郎が主演を務めたヒューマンミステリー映画。いつもの早口で皮肉をいうようなコメディキャラを封印
明るいダメ親父という役は彼にピッタリである、この物語は有名な殺人事件をモチーフにしている。
ところどころちょっとそれはないなぁという場面もあるのだが
ラストの卓球シーン、あの親子にしかわからない癖のある仕草、いい終わり方だったなぁ。
娘役がとても良かった。


⑨両刃の斧
WOWOWドラマですがとてもよかった。オンデマンドだと先行で全話みられるのも良い。
WOWOWドラマは割と最終回がいまいちなモノが多いが今回は良かった。
良い感じで騙してくれた。柴田恭兵の熱演に胸打たれたという事なのだが、
ミステリーモノのキャラクターは皆、コマ割りとして描かれる。
それが機能していれば問題ない。多少強引でもそうあってね。があれば許されるのである。
最終回泣きました。


⑩少年の君
香港映画です。主演の女子学生を演じたの女優さんはノーメイク風なので幼く見えたが実年齢には驚いた
一流大学にさえ入学できれば将来は安泰というアジア特有の価値観
実際はそうでもないのだが、まぁ過去の栄光にしがみ生きてくしか能の無い可哀想な人がいるのは間違いない。
そういう誤った社会が招いた悲劇でもある。日本でもあったイジメを苦にした自殺を根底に、引き起こされるもう一つの悲劇。
正直者が馬鹿を見る世界では困るのだが、世の中は何を守ろうとしているのだろうか?
そういう厳しい現実を突きつけてくる。貧困、母子家庭、大学受験競争を軸に過酷な社会問題を浮き彫りした青春グラフティ。
ヒロインが受けた残酷な現実、その痛みと悲しいみに胸が張り裂けそうです。
こういう思春期モノは通常は手を出さないのだが、これは良かったなぁ。

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