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Going Crazy / SAHARA
失恋船長 ★★★ (2022-12-16 14:26:11)
同時期にデビューしていた女性シンガーのいるSARAYAと混同した時期がありましたが、こちらはアメリカ産の叙情派HM/HRサウンドを轟かせるバンドの1st。キーボードのセンチネルことダイアン・アレンズの華麗なるキーボードと、女性らしい凜とした佇まいから発せられるパワーヴォイス、その美声にウットリとさせられます。この2枚看板の圧倒的な存在感、そのパフォーマンス力に釘付け。リリースが1992年ですからね。今となっては早すぎた登場となります。80年代でもダメ、今が旬でしょうね。成熟しきったメタルシーンにおいて、かつて、ここまで完成度の高い女性がメインを張るバンドなど、そういるモノではありません。
センチネルの奏でるドラマ、そして、リズ・ヴァンドールが歌い上げるメタル一大叙情詩の美しさ、メロディックなメタルが好きで、複雑すぎるドラマはチョイと、と思うマニアにはドンピシャのサウンドである。
RAINBOW路線を継承するド硬派メタルバンド、その媚びを一切売らない姿勢には感服ですね。

とにかく唄が上手いです。ロックなのですが、妙にドスを効かせたりオーバーな唄い回しなど皆無、HEARTのアン・ウィルソンがメタルを唄うという感じ、これほどしなやかで、女性らしい色香を感じさせつつもパワーダウンしない女性シンガーを知りません。
発声法でどうにでもなるグロウルとはワケが違います。これは実力が如実に表れるフロントマンたる重責を見事に果たしていますね。

どんなにセンチネルがメタル一大叙情詩を描いても、期待に応えるフロントマンがいなければ成立しません。ワタクシは、この声に圧倒されました。レザー・レオーネは男勝り。アン・ボイレンもそうだろう。リズは、そこじゃないところで勝負して打ち負かしている。女性にしか出せない魅力、素晴らしい歌い手だ。

聞き惚れるていると、気がつけばセンチネルの書き上げたリリカルなファンタジックメタルの壮麗なる世界観に魅了されるでしょうね。
2枚看板を押し上げるように、そこを支える3人の男性も頼もしい限り、何度聴いてもカッコイイんだよなぁ。

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