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Real World / NITRATE
火薬バカ一代 ★★★ (2023-02-24 00:27:00)
MIDNITE CITYを率いて、これまでに3枚のアルバムをリリース。すっかりメロディ愛好家から篤い信頼を勝ち得ているロブ・ワイルド(G)の参加しているプロジェクトということで興味を惹かれたNITRATE。本作は彼らが’18年に発表した1stアルバムで、日本盤は「令和のゼロ・コーポレーション」ことANDERSTEIN RECORDSからのリリースでした。
マスタリングはHAREM SCAREMのハリー・ヘスが担当、シンガーを務めているのは、あら懐かしい。ロビー・バレンタインも在籍していたZINATRAや、MENNEN等での活動で知られるヨッス・メネンじゃありませんか。その脇をロブ・ワイルド、ニック・ホッグ(G、Key)、ピート・ニューデック(Ds)といった、いずれも80年代型メロハーに関しては一家言ある「書いて良し」「演って良し」な面子が固めるという鉄壁の布陣が敷かれています。
曲作りの中心を担うのは、当然ロブ…かと思いきや実はニックだったりするのですが(そもそもこのプロジェクトの発起人でもあるという)、フックの効いたメロディ、煌びやかなハーモニーとKeyに彩られ、溌剌と躍動するメロディアスHRサウンドはMIDNITE CITYの諸作と比較しても全く聴き劣りしないクオリティを誇っていますよ。
特に歌詞には「TOKYO」も登場する爽快なアリーナ・ロック・チューン⑥と、一度聴いたら哀愁のサビメロが耳から離れない⑩はこのプロジェクトの旨みを凝縮したような名曲。ヨッス・メネンも昔は然程上手いシンガーという印象を持っていなかったのですが、ここではその印象を覆す情感豊かな歌声をもって楽曲の魅力を見事に際立たせてくれています。
所属レーベルの店仕舞いで国内盤が早々に廃盤になってしまったのが残念な力作。
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