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Closer to the Flame / Riot Act
失恋船長 ★★★ (2023-05-10 14:58:11)
RIOT脱退後、何をやっていたのか不明だったリック・ヴェンチュラ、そのリックが復活を果たしていたことに驚きました。しかも相棒は同じく元RIOTのL.Aクヴァリスという、マーク・リールの相棒同士という夢の共演、そのプチ話題性を引っ提げ、活動を始めるもコロナ渦においてL.Aクヴァリスは帰らぬ人となります。失意の中、バンドは継続、こうして2022年にフルアルバムをリリースとなります。
元々、技巧的に優れたグループとは言い難いRIOT。マークとリックのアックスメンに注視することはなかったが、今作では主役となるリックのギターは実にオーセンティックなプレイであり、リッチー・ブラックモアからの影響も強いロマンティックなタッチも披露と、彼の魅力を余すことなく伝えています。何より音楽性が渋い、日本では人気のあるアルバムと言えばぶっちぎりでTHUNDERSTEELとなるのだが、個人的には随分とスタイルが変った作風だと思っている。アメリカンロックにねじ込まれた情熱と悲哀のあるメロディ、それがRIOTだと思っていたが、THUNDERSTEELでは、シャープにキレるメロディックパワーメタルへと変貌、ハイトーンシンガーを従え、台頭するスラッシュメタルを迎え撃つかの如く変貌を遂げたバンドだったが、そういう作風は本筋ではなかったので続くこともなかったのだが、日本からのオーダーは、メロディックメタル路線、その狭間で苦労した印象が強い。
それだけにNIGHT BRAKERあたりのバランス感覚でアルバムを作って欲しかったのだが、どこか帯に短したすきに長しという作風が続き、ガイ・スペランザとの再タッグなども噂されつつ叶わなかったマーク・リール。
彼もマネージメントに恵まれず、帰らぬ人となり、その意思を引き継ぐ者達が擦り倒すのはTHUNDERSTEEL、作品前に面白くなくなるロボ・コップやヘルレイザーくらいダメダメなRIOT V。
このバンドが2枚組で見せてくれた初期の3作に拘ったRIOTカヴァー大会の出来映えを聴かされると、彼らこそ、順当なRIOTの後継者であろう。本編となるオリジナルアルバムの出来映えも実に、初期のRIOT路線を踏襲するような作風であり、アメリカンなダイナミズムと、中南米の熱情的なスタイル、そこにヒリつく哀愁がホンノリと加わり、古典ロック的なサウンドをど真ん中でならしている。
フレットレスベースも操るテクニシャンなポール・ラニエリ、熟練の腕利きドラマー、クラウディオ・ガリンスキー、そして熱い歌声を披露するドン・チャフィン、彼の声に惹きつけられたのは、ソックリではないし、歌い回しも違うのだが、ガイ・スペランザと重なる場面があるところ、とにく2枚目においては、この声で初期作を聴けるのはありがたいと思えるほどの適任で、マーク存命の内に知り合っていれば、どうなっていたんだ?と想像させる逸材でした。
THUNDERSTEELこそRIOT派のマニアにはつまらん、アルバムでしょうが、初期のスタイルが好きな人や、クラシックなハードサウンドが好みの方には需要は高いでしょうね、渋くて熱い古典ロックにグイグイと引き寄せられるでしょう。
DISC2
1.Rock City
2.49er
3.Swords And Tequila
4.Overdrive
5.No Lies
6.Tokyo Rose
7.Warrior
8.Dont Hold Back
9.White Rock
10.Outlaw
11.Road Racing
12.Altar Of The King
上記内容がRIOTのカヴァー大会です
選曲も絶妙ですよ。WARRIORも押さえているのも興味をそそります。ちなみに49erではマイク・フリンツがソロでゲスト参加とRIOT夢の共演を果たしています。
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