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NARITA / NARITA
失恋船長 ★★ (2023-06-06 13:30:58)
騒乱のナリタといかにも邦題っぽいタイトルが付いたデビュー作。そりゃバンド名がナリタでアルバムタイトルも同じだからインパクトは弱いですよね。それだけにこの邦題は正解である。
90年代に入りモダンヘヴィネス時代が到来、日本人的にワビサビのある情緒のあるサウンドを求めるマニアは路頭に迷いだした時代、ガンズシンドロームも更に拍車を掛けたという背景もあり、こういうタイプのサウンドに脚光が集まった。
今は亡きSHARK RECORDSからヒッソリとデビュー、それをPony Canyonが見つけて国内盤をリリースするのだから、無名であろうが一定のクオリティを保持している事に間違いはありません。
デンマークのディッキンソンと言われたブライアン・リッチの確かな歌声、テクニカルなギター、メロディックなパワーメタル路線とお膳立ては揃っているのだが、イマイチ楽曲が練り込まれていない、そのチグハグ感が評価を大きく分けるだろう。
一つのパートはしっかりと確立しているのだが、どういう分けかバランスが悪いと感じるのが最大のポイント。そこを乗り越えられたらネオクラ風味のパワーメタルとして楽しめる要素も大。シンガーがブルース・ディッキンソンタイプというのも興味を押すポイントとなるでしょう。
ちなみにギタリストのマック・ガウナーは、アンドレ・アンダーセンのソロアルバム第一弾でゲスト参加、リードギターとして活躍していますので、そっち方面から辿り着くマニアもいるでしょう。中古盤も格安セールで見かけましたので、手に入りやすい一品です。

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