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Before the Storm / SAMSON
失恋船長 ★★★ (2023-06-16 06:11:12)
当時、ブルース・ディッキンソンがブルース・ブルースと名乗り参加していた時代がピークと思われるバンドですが、ドラマーとヴォーカルが変わり、よりオーセンティックなハードサウンドへと舵を切っている。巨漢で知られるニッキー・ムーアの味のある歌声とポール・サムソンが奏でる滋味深いギターサウンドとの絡み、この相性は路線的にもバッチシとハマり当時としても古くさい音色であったろうが、時流に流されないスタイルは大いに評価が出来る。
これぞブリティッシュハードな魅力が満載、バンド的にもこちらの方が自然に感じるのがポイント。元々サムソンはNWOBHMの中でも滋味だったからね。ニッキー・ムーアがシャウトしないカヴァデールみたいでカッコイイんですよね、チョイ、デイブ・ヒルっぽさもある。

オーセンティックなメロディックサウンドを引っ提げシーンに貢献した今作、⑤なんてANTHEMのRUNNING BLOODぽいので、マニアなら柴田さんアイデアを拝借しましたね、なんて言いたくなるような楽曲もあります。ドラムもベースもクール、堅実なリズムプレイはロックンロールな乗りを誘発、そのグルーブ感は前任者と明らかに異なるモノであり、今作の方向性を支持している。また楽曲に合わせ適切なリズムプレイを披露と、バンドとしての一体感を強めた。NWOBHMに乗りアルバムをコンスタントにリリース、シングル盤やEPも多いので、全作コンプするのは至難のバンドなのだが、NWOBHMは勿論だが、ブリティッシュロックが好きな人にも強く勧めたい一枚。

正直、前3作よりもニッキー・ムーア時代の方が好きである。メンバーチェンジを成功させ、さらに意欲的に活動を開始したと思わせる力作。SAMSONの歴史において今作の持つ意味合いは大きい。

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