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Abyss / LIONSHEART
火薬バカ一代 ★★★ (2023-07-07 01:11:27)
先日AFTER HOURSの感想を書いていたらふと思い出して聴き直したくなり、CD棚から引っ張り出して来たスティーヴ・グリメット(Vo)率いるLIONSHEARTが’04年に発表した4thアルバム(最終作なのかな)。
3rd『UNDER FIRE』リリース後にバンドは一度解散しており、これは復活作に当たるようなのですが、お世辞にも話題になったとは言い難い…というか「まだやってたの?」「4thアルバムなんてあったか」ってな反応も珍しくはないくらい。いやでもこれが内容は悪くないんですよ。ここまで付き合えば今更様式美系HMナンバーが見当たらないことに不満を感じることはありませんし、寧ろLIONSHEARTにとってはデビュー作の作風こそが例外であったことが了解できているので、本作においては仄かにブルージーな香り漂う、ブリティッシュHMらしい愁いを湛えた収録楽曲の数々を素直に楽しむことが出来るという塩梅で。
とか言いつつも、アグレッシブな疾走ナンバー①から派手なGプレイをフィーチュアした⑬(日本盤のみのボートラ)まで、適度にアップテンポの楽曲も散らされた本編はこのバンド史上最もヘヴィ・メタリックな仕上がりといえ、これなら「ブルージー」なるキーワードに拒否反応を覚える向きにもお楽しみ頂けるのではないかと。とりわけ重厚にしてドラマティックに盛り上がっていく⑤は、スティーヴの伸びやかで情念迸る熱唱が映える名曲っぷりに特にグッときましたね。
前3作に比べると中古盤屋でもとんと見かけませんが(かといってプレミアが付いてるわけでもないのが悲しい)、もし遭遇したら是非レスキューをお勧めしたい1枚。
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