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Chain of Command / JAG PANZER
失恋船長 ★★★ (2023-07-10 13:33:07)
遂にオフィシャルな形でリリースされた幻の2nd。ギターのジョーイ・タフォーラとシンガーのハリー・コンクリンが抜け、変わりに参加したのが、クリスチャン・ラセグとボブ・パルドゥバの二人。とくにシンガーのボブはタイラント・コンクリンに負けないハイトーンを駆使するシンガーで違和感は全くない、むしろ中音域に甘さがありタイラントよりも柔軟さを感じる。彼の実力はKeep It True X festival in 2008でも確認が出来るので、何故このクオリティでお蔵入にされたのか疑問を払拭できないほど、欧州風味のあるアメリカンパワーメタルをやり切っている。
良く伸びるハイトーン、ジョーイ・タフォーラをフィーチャーしすぎていた面があった前作から比べると楽曲に比重を置いたパフォーマンスに変わり、その充実ぶりはソングライティング力に反映、これぞヘヴィメタルな楽曲に彩られている。Iron Butterfly の名曲
In a Gadda da Vidaのカヴァーもクレジットの段階では蛇足感を感じたが、流れで聴けば違和感はなく、むしろアクセントになっている。すでにハリー・タイラント・コンクリンの歌声でリメイクもされている楽曲が多いのですが、個人的にはオリジナル盤の方が好みですね。つくづくもっていないバンドだ。これほどの良作が80年代中期に出来上がっていたのに世に出ないなんて、これが知られていれば正統派メタルマニアから高い支持を受けていただろう。今日の日本での過小評価も起こらなかったはずである。
今作は彼らなりに時代に寄せている。聴きやすさを優先しているがメタリックな質感は失われていない。そういう目は間違いではなかったはずだけにお蔵入は残念だ。
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